いつだって怪文書

備忘録です。

朗読劇 pure white party!! vol.1 ~ 福岡から全国へ ~ に行ってきたよという話

皆さまこんにちは。店員2号です。

 

日々の仕事に追われ、異聞帯もまだ抜けてなかったりする今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。チャイルドプレイの公開に合わせて過去作の復習をしていたりしたのでまだまだ元気はいっぱいですが、今回は初めて朗読劇に行ってきたので感想です。

 

(ぶっちゃけチャイルドプレイ旧作は1と誕生の秘密以外はコメディなのでホラー苦手な人も安心。新作のチャッキーは割とかわいい)

 

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概要

"「エンターテイメントに革命を!福岡から全国へ」福岡に縁のある各ジャンルの方々を迎えての朗読劇第一弾!"(公式サイトより)とのことで、福岡出身の声優である前田佳織里さんが出演されると聞きチケットを買いました。

話題にしたことがありませんでしたが前田さんの声というか話し方が割と好きでして、あと輪郭が綺麗。なかなか関東以外で声優の朗読劇を観る機会もなかったので今回のイベントは嬉しかったですね。あと輪郭が綺麗。

朗読劇はオムニバス形式の4作品を公演ごとに2作ずつ上演(A公演B公演があるイメージ)。12人のキャストは2作のどちらかに出演されます。好きなキャストの出演作を全て観るには2回行けばOKということです。

 

会場・物販

会場は福岡市中央区天神のベスト電機11Fにある、天神ベストホールです。街のど真ん中です。

座席は14〜16席×6列の100席弱。前方2列がS席、それより後ろがA席でした。S席は特典として任意のキャストの似顔絵イラスト(パンフ掲載と同様)カードとランダムでキャスト生写真が3枚ついてきます。私は迷ったら高い方の精神によりS席で鑑賞しました。開場後に入場整理券配布を行うため、最前真ん中を狙う方は開場直後に入りましょう。

物販はチェキ券、パンフ、ガチャ、アクリルスタンド(要予約)といったところ。ガチャは似顔絵イラストの缶バッジで、当たりはサイン入りだったり落書き入り台本だったりとのこと。ここがチェキ券のある世界か…と異世界感を味わいました。

とりあえずパンフとガチャ5回やってみましたが5個中2個がサイン入りだったので日頃行くイベントより封入率は高めですね。サイン入りは各1/3の割合とのこと。どちらかというと入手回数で競っていくスタイルなんだと思っています。

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(左上から右へ順に天野なつさん、悠乃さん×2、宇井真白さん、前田佳織里さん)

 

感想

小さめのホールに行くと、演劇部でもないのにコンクールを観に行ったりしていた学生時代を思い出して懐かしくなります。スポットライトに照らされるミストや埃の揺らぎを見るのは皆さんも好きではないでしょうか。ともあれ当然のごとくネタバレします。

 

◯A公演

・聖夜ニアンドロイドヲ

サンタクロースの孫が生み出したアンドロイドが、クリスマス間近のとある男性宅へ送り込まれる。ところがそこには男性の想い人の幽霊もいて…?というあらすじ。ここに男性を慕う後輩も登場します。

内容としては基本ギャグ調。実はアンドロイドは男性がかつてクリスマスプレゼントに買ってもらっていたおもちゃの戦隊ロボの集合体で、持ち主に再会するついでに幽霊の未練も晴らし、男性は後輩と結ばれハッピーエンド。設定盛り盛りのキャラは好きです。

アンドロイドがアフロダイAよろしく胸部ミサイルを搭載している一方で、イタリアでサンタの代わりに良い子に菓子を、悪い子に炭を配る魔女ベファーナの名を冠していたりサンタが人を生き返らせる逸話に触れていたりと、サンタ好きにとってポイントが高い部分もありました。個人的には後輩が男性を待っている雰囲気がよく出ていたと思います。

 

・紫陽花

とある女子高校生の名前である「紫陽花」。その由来には、彼女の2人の母の出会いと別れが詰まっていた…というあらすじ。紫陽花の生みの母である茜の視点で語られる本作は、全編重めの展開でした。

ストリッパーの母から逃げ暴走族になるも少年院へ送られ、そこで出会った教官のましろに荒んだ心を救われます。院を出た後は自分を探しているという母を見つけるためその交際相手を訪ねますが彼に襲われ、抵抗の結果命を奪ってしまい今度は刑務所へ。その後男の子どもを身ごもっていることが分かり出産を決意。生まれた子どもをましろに育ててもらっていましたがましろはガンにより出所前にこの世を去ります。

このように書くと救いのない内容ですが、ガンにより子どもを産めなくなっていたましろは子どもを育てることができ、ストリッパーの茜の母は心を病んでしまいましたが茜のフリをしてくれた紫陽花に懺悔したことで少しだけ心を救われ、茜は最終的に紫陽花と穏やかな日々を過ごしています。紫陽花はましろが好きな花だったのですが、その花言葉に込められた思いなども語られていて感動的でした。水戸黄門のテーマがギャグから感動へ変わるところも見所です。

前田さんは紫陽花役での出演でした。淀みのない語り口から紫陽花のまっすぐに育った心根が感じられて良かったと思います。思えば茜の母は紫陽花にとって祖母にあたりますが、茜の母の交際相手の子どもと考えると血の繋がりのない娘とも言えます。やっぱり重い話ですね。

 

◯B公演

・いちごんさん

クラスの人気者のカンニングを密告したことでいじめに遭っている少女が校舎の屋上から飛び降りようとしたところで幽霊の少女と出会う。なんだかんだで彼女と2人で遺書を書くことになってしまった少女だったが、近所の神社の夏祭りに行ったことで母の想いを知る…というあらすじ。

また幽霊かとお思いでしょう。実は彼女は神社に祀られている土蜘蛛だったので幽霊ではないですよ。でも主人公の父はこの神社で彼女を身ごもっていた母を捨てて女と蒸発しています。母子家庭率が高い。

ちなみにタイトルの「いちごんさん」とは一言だけのお願いを聞いてくれる、奈良県葛城一言主神社に祀られる神様の通称です。夫に捨てられた身でありながら、少女の母が願った一言は「娘が幸せになりますように」。これを叶えるため少女の元に土蜘蛛が遣わされたのでした。割とギャグ調でしたが、綺麗な締めくくりでした。

 

・バレンタイン・キューピッド

天国で愛と美の女神ビーナスに仕えるキューピッドの少女は初仕事としてとある男女の恋愛を成就させることに。実はこの2人には彼女と因縁があり…というあらすじ。

ここまで読んだ人には大体お分かりでしょう。キューピッドは早期胎盤剥離により流産となった2人の子どもだったのです。鑑賞しながらサークル時代に他校の学生から「(2号がいた大学)さんの作るラジオドラマはよく人が亡くなりますね」と言われたのをふと思い出したりしました。でもキューピッドは最後に母と抱き合うことができたのでハッピーエンドですよ。

ちなみに前田さんはビーナス役でした。イケメンの尻が趣味というキャラクターでしたが、下界の尻に見惚れたりよだれを拭っているところが実にコミカルでした。軽薄なようで全てを見通している達観した神らしい姿がよく表現されていましたね。

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終わりに

ということで感想でした。コーナーとしてではなくイベントの主題としての朗読劇はおそらく初めてでしたが、懐かしい舞台のノリを思い出して楽しむことができました。全6公演中5回以上鑑賞すると特典がつくそうですが、flumpoolがライブで来ているため断念。最終公演辺りもう1回行けるといいなと思っています。

今回はvol.1とのことですが、今後も長く続く企画であってほしいなと思うところです。そして前田さんのさらなる活躍を期待しております。

 

それではまた。